特集2021.11.30

【後編】『スポーツマンNo.1決定戦』伝説のMONSTER BOXと言えば? 池谷直樹が波瀾万丈な人生とスポーツキャリア支援を語る!

体操選手としてエリート街道を歩んできた池谷直樹。
1996年のアトランタオリンピック出場を目指すも叶わず、現役を引退します。
その後、人気スポーツ番組「スポーツマンNo.1決定戦」でブレーク!
勢いに乗り参加したマッスルミュージカルも10年以上続く大成功 
…しかし、落とし穴が!
そんな池谷直樹の素顔、そして壮絶な過去から生まれたプロアスリート選手に対するキャリアへの向き合い方、その本質に迫るインタビュー、その後編です。

前編はこちら◀◀◀

コロナ禍の打撃、その中で 。。。

今はどんな事業をされているんですか?

池谷:タレント事務所みたいなイメージかな。
いろんなスポーツをやっていた人がうちに所属して、その人らのマネジメントを行う。その中で、EXILEのように、うちが主催する舞台をやる。
それがサムライ・ロック・オーケストラ。マッスルミュージカルとかシルクドソレイユみたいな。
他の舞台と違うのは「セリフがない」ってこと。体の動きだけでストーリーを伝えていきます。
イベントもやっていて、「こういうパフォーマンスをやってください」 という感じで依頼を受けて、いろんなお祭りとか、会社の忘年会とかに行ったりしてやってた。
体操教室も昨年(2020年)からやり始めたところで、他にもいろいろ考えたけど、コロナで全部止まっているんだよね。

おととしの2020年、6月から始めたのがサムライロックレストラン
レストランでショーを見ながら食事をするっていうイメージね。

サムライ・ロック・レストランの様子

客席近くでのパフォーマンス

大きなところではないけど、スタッフが例えば逆立ちしながら登ったり。
これも東京オリンピックを見据えたインバウンド狙いで秋葉原に作ったんだけど、
コロナで去年2月に止まった。

他にも忍者キャストっていう、居酒屋に忍者の格好したキャストをうちから派遣して、逆立ちしながらお皿を運んでくるというものとかもやった。これもインバウンド向けに。
やっぱりコロナ前は、新宿歌舞伎町など、日本人より海外の方が多かったからね〜
海外の人の予約がいっぱいだったんだけど、コロナで全てが変わった。

マッスルミュージカル時代にやったラスベガス公演での経験からも感じたのは、自分たちの舞台はセリフがないから世界中の人が観られる。
しっかりとコロナ後を見据えて仕込んでおきたいよね。
舞台もずっとやらないわけにはいかないので。

別で拝見したんですが、(2021年)7月に群馬県でイベントを開催されましたね?

池谷:通常は年間15都道府県で20公演くらいするんだけど、今年は3回だけ。
だいぶ参っている。
だけど群馬でやったら50%の客席制限設けて、ほぼ満席だった。
それでも、我々ってチケット売って、人を集めるのが仕事なのに、集めちゃいかんっていう、、、兼ね合いが難しったよね。いつまで影響あるんだろうって思っちゃう。

本当にそうですよね。現時点で次に考えている仕掛けはあるんですか?

池谷:毎日小さくてもいいから、メンバーを舞台に立たせてあげたい。
それで、飯食っていけるような。
それが根本の思い。みんなアルバイトとかもしているけど、
みんな一団となってやっていきたいと思ってる。

そして、世界中の一人が観れる舞台を作りたいというのが一番かな〜。

今からワクワクします。こそこれ以上ひどくなってほしくないですね。

オリンピック選手の裏側とは?!

ここからは「キャリア」に対してのお考えについて聞きたいのですが、池谷さんは現在のオリンピック、そして、選手をどう見てらっしゃいますか?

池谷:金メダルとったらメディアに出られけど、それ以外の人は一切出なくなるじゃないですか。
それぞれあると思うけど、どうやって生きていくんだろうって考えてしまう。
体操でもメダルをとれなかった人を自分は知っているけど、世の中の人は知らない。
オリンピックせっかくいったのにそんなもんかっていうのは悲しいですよね。
例えば1位~20位くらいいて、だいたい3人くらいがオリンピックに行けるんだけど、
4位以降って同じ生活をしてきてたのに、たまたま行けなかった。
そういう人ってたくさんいるんだろうな!って、それは忘れたくない。
自分もそうだったから。
今まで知らなかった世界に触れて、こうやってお金を稼ぐ人がいるんだ、というのをあとになって知った。外に出てから知った。
こういう世界があるんだよって。知らないから考えられないっていう人は圧倒的に多いと思う。

一般の方とスポーツ選手の根本的な違い

いろんな裏側と現実があるんですね。私もよくインタビューさせて頂いていて、特にマイナースポーツの選手の方々は、必死に努力されているけど、スポーツ選手としての目標を達成した後の自分はどうなっちゃうんだろうって不安になるという話も聞くのですが、そういう方にアドバイスってありますか?

池谷:どっかで変わらないといけない時が来る、そこをどう乗り越えられるか? かな〜。

結局、仕事ってなんなの?ってところだと思うんですよ。
ほとんどの人が、仕事いやだな~思いながらもお金を稼いで、その稼ぎで好きなことをする。
多分普通の人って会社では仲間がおらんくて、定時に帰るとかあると思うけど、スポーツ選手は違う。
仕事場に仲間がいて、仕事場が楽しい。それで生活してきたから、それが仕事!
その根本が一般と違う。

スポーツをやっていたことを求めても、周りは違うのが現実だよね。仕事だから。
そういう背景がある。
うちはクラブ活動みたいに集まって仕事しているけど、好きなこと、楽しいことを仕事にできる。
それで飯食っていける幸せをどれだけ感じてもらえるか、かなって。
好きなことを仕事にしている人ってほとんどいないよという現実をスポーツ選手は知らない。
だから、スポーツ選手も違う仕事をやるのは大変。ほとんどの人が我慢している世の中なので。

スポーツ選手は若くして脱サラみたいなことをしないといけない。
大学の時はいいんだけど、卒業するときにだいたいあるのが、実業団からのスカウト。その時はそのままスポーツやって、実業団で給料もらいながらやるので苦労しないんだけど、引退して初めて社会人になる!
そこにいくまでに、普通の大学生なら就職活動のことでみんないろんな話するんでしょ?
スポーツ選手ってそんなのしないから!(笑)

小中高の部活動をそのままやっているから、卒業する前、引退する前になって、さぁどうしようか?ってなるのが普通。
ほとんどの人が社会を知らずに引退して、そこからのらりくらりやっている印象だね。

アスリートならではの弱点がある、一人でも救いたい!

小さい頃からスポーツにかけてきた経験があるので、選手は社会に出てもその疑似体験ができてるという印象もあるのですが…?

池谷:役に立つことはあると思う。
なんでもそうだけど、うちがなぜアスリートのセカンドキャリアを考え出したかというと、好きなことやってきたからこそ、好きなことで飯を食える場所を作ってあげたい。
それががまず一つ。

でも、バク転やって、宙返りやって、それを仕事にできるところってあんまりないんだよね。
だいたい会社入ったらパソコンやれ!って話じゃないですか?
エクセルで表作ったり、ワードで文章作ったり。じゃないと仕事にならない。
だけど、ずっとスポーツだけやってきていたら今までパソコン触ったことないですって人がほとんどでしょ?そういうのができる人は人なかなかいないでしょ?
それが普通なんで。。。

できない人は必ずどっかでやめてしまう。変わらないといけない瞬間がある。
それを一人でも救ってあげたい。
だから、みんなに言いたいのは、がむしゃらに続けても欲しいが、次の自分を見据えるということもやってほしい。コロナ禍だからこそ大切なのかなと。

そんな池谷さんが思う描く、ご自身のライフビジョンってあるんですか?

池谷:俺?!俺はね~大きくなったら、大人になったら田舎で暮らしたいなって(笑)
世の中に必要とされなくなったら(笑)のんびり田舎で畑耕しながら、メダカ養殖して、釣りして。
動物も好きだし、今でも休みの日とかずっとウッドデッキにいるよ。
ずっとメダカの水換えしてる(笑)
家でぼーとするのは好きじゃないから、とにかく動いてないといけない。
だから休みの日でも汗だくだよ。ウッドデッキにいるから(笑)。
暑くてもずっと庭のことやってたりするし。

全てのキャリアから引退して好きなことやっていいよって言われたら何しますか?

池谷:お金も気にせずやっていいよってなったら田舎いって、週4くらいでゴルフやって、それ以外畑仕事やって、動物たちと住んでかな~。基本しゃべるのも好きじゃないし(笑)

むちゃくちゃ上手じゃないですか!


池谷:よく言われんるんやけど、俺喋るの好きじゃないなーって。
大阪人やから、しゃべるし、上京してもボケたりツッコんだりするのは必要だからやるけど、めっちゃ疲れる!(笑)
だって、喋った日の夜、喋ってない日の夜の疲れ具合が全然違うんよ! 
あ、喋るの嫌いなんやな と。体動かす、動かさないは一緒なんだけど、しゃべりが入ると疲れる。だから答えはしゃべるの嫌い(笑)

そしたらタレント業続けているの辛かったもしれませんね(笑)

池谷:う~ん。まぁ、それは仕事だからね(笑)プライベートはほぼ喋らない! 
家族の中でもそんなしゃべらないし、めだかやってる(笑)

テレビで見ていた池谷さんとギャップありますね(笑)

池谷:テレビに出ている人いろいろいるじゃないですか? 
あれ、自分の中の1割を出して仕事していると思うんですよ。
あとはみなさんが知らないその人がいると思うんですよね。
俺を子供の頃から知ってる同級生はテレビに出る俺を不思議に思うし、テレビ側から知った人はこっちの俺にびっくりする。
全部見ているのは家族ぐらいなもんでね。
だからSNSで誹謗中傷しているやつとか一点しか見てないからするんよ。
ちゃんちゃらおかしい。
いろんなことを狭い範囲で自分の中だけで見ているとやっぱりダメなんだろうな~って。
他の国だとさ、あるじゃん!全員の思考を統一しているからぴしっ!って揃う感じ。
国の方針によって違うけど、反対意見もいい意見もある。
それが民主主義ってことだなって思う。

人も一緒で、ここで俺に見せる姿と、違う姿とかもある。いいところも悪いところも見てあげないといけないなと。
結局、タレントでも誰でも1割しか見せなくて、それ以外の人格が9割あるってこと。

池谷さんは360度、いろんな視点で物事を捉えてらっしゃるんですね。我々の記事を見てくださったやスポーツ選手の方に何かしてあげられるとしたら何ですかね?

池谷:一番いいのはお金の調達ですよね(笑)
その人自体は知らないから何もできないけど、それをサポートしてあげたい。
例えば今回のインタビューでも契約書がいるんだとか。
何も知らないと、契約書ってなんですか?ってなる(笑)
世の中に契約書も雛形あるじゃないですか、それも、雛形ってなんですか?ってなる(笑)
そういうのを教えてあげる会社とかも必要なんじゃないかな~。

契約書とか俺も最初、甲乙って書いてある時点でわけわからなかった(笑)
そもそも [こうおつ]って読むん?とかね。
税金とか、社会の勉強とかしないと、お金でも騙されてしまうかもしれないしね。
今後、新しいスポーツのメディアが出来てたら、アスリートの皆さんの悩みに答えていけるように、そんな発信もしていけたらな~って思うね。

そのときには、第2弾、第3弾などお願いできたらと!!

池谷:ぜひぜひ!

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