特集2021.08.16

生涯、青春できる。コーフボール・眞柴啓輔選手が語るベンチャースポーツの可能性

1902年にオランダで誕生したニュースポーツ、コーフボール。世界69か国でプレイされるオリンピック委員会承認競技です。日本国内でも競技人口が増え続けており、現在全国で10チームほどのクラブチームが存在しています。

そんなコーフボールの日本代表を務め、自身でベンチャースポーツを気軽に楽しめる『Sports world』を運営されている眞柴啓輔選手にお話しを伺いました。

コーフボールの魅力だけでなく、今後のベンチャースポーツの展望についても熱い想いを語ってくださいました!

日本代表として約10年!コーフボール選手のパイオニア

眞柴さん、本日はよろしくお願いします!早速ですが、コーフボールを始めたきっかけを教えてください!

私はもともとバスケットボールをしていたのですが、大学のサークルの友人から「バスケに似たコーフボールっていうスポーツがあるらしい」ということを聞き、当時日本国内では唯一のコーフボールチームの活動に参加してみたことが最初のきっかけです。
会社員として働きながら、いろんな地域でコーフボールのクラブチームを設立する活動を行っていたのですが、日本代表として活動する中でコーフボール発祥の地であるオランダのクラブチームに参加するご縁をいただいたんです。日本でも親しまれ始めてきた頃だったので、本場でプレーを向上させたり、コーフボールの実情を見たりしみたいと思い、27歳の時に仕事を辞めて、そのままオランダに移り住みました。

まさにコーフボールとともにある人生なんですね!

そうですね。オランダではコーフボールを通じて物流の事業も始めました。ただ、コーフボールのアジア・オセアニア大会を日本で開催するプロジェクトのディレクターとして日本に戻ることになり、オリンピック関係の仕事も増え始めたので、そのまま日本に残るような形で現在に至ります

ほかにもさまざまな競技に携わられているとのことですが、どんな競技ですか?

定期的に行っている競技は8種目です。コーフボールと、『ハリー・ポッター』でおなじみのクィディッチで日本代表を務めさせていただいています。ほかには野球系のスポーツでウィッフルボールという競技や、クリケット、モルック、アルティメット、ラケット競技のフレスコボールを楽しんでいます。

すごい競技数ですね……!

最近、活動していて自分の体力は本当に強みなんだなと感じています(笑)
今日もこのインタビュー前に、モルックとスラックラインという競技やってきて、昨日はクリケットをしたのですが、毎日2~3競技をコンスタントにやっています。

写真ⅰ:試合中の眞柴選手(提供:眞柴選手)

360度どこからでもシュートが打てる!男女混合で行うコーフボールのルール

ぜひコーフボールのルールについて教えてください!

大きな特徴としては、男女混合(1チーム男女各4人の計8人)で行う競技だということです。バスケットボールに似ていますが、ドリブルは禁止のため、パス中心のゲーム展開になります。今の国際ルールだと10分4クォーター制の40分ですが、大会によって約30分の前後半制などもあります。ゴールの周り360度どこからでもシュートが打てるので、スペースの使い方がポイントになりますね。

今日も試合を観戦していて思ったのですが、男女関係なく楽しめるスポーツですね!男性4名、女性4名のチーム編成は日本代表も同じなんですか?

そうですね!そこはまったく一緒です。

大会はどれぐらいのペースで行われているんですか?

日本では協会主催として年に一度、日本選手権を実施しています。

現在で国内の競技人口が1,000名程度とうかがったのですが、全国に活動が広まっているんですね。

私だけでなく、ほかのメンバーも協力してくれて、さまざまな地域でチームを立ち上げていきました。まだ限られた範囲でしか広まっていないことも事実なので、もっと自分たちの知らないところで自然発生的にチームが誕生していくような状況になればいいなと思います。

コーフボールは、性別に年齢に関係なく楽しめるファミリースポーツ!

コーフボールをやってみたくなりました!この競技に向いている人のタイプや、コーフボールの魅力を教えてください!

コーフボールは、コミュニケーションが大事なスポーツです。そのため、1人で黙々と得点を狙うというより、仲間と一緒に練習して結果を出して喜びたいという人には向いていると思います。コーフボールは1人では点が取れないので、例えば、バスケの神様と呼ばれるマイケル・ジョーダンのようなスーパースターがチームにいたとしても、1人だけではなかなか勝てないんですよね。

また、男女がフラットに同じフィールドで楽しめていることもポイントだと思います。今でもさまざまなスポーツに関わっていますが、最も男女が分け隔てなく楽しめるスポーツなのではないかなと思います。

ゴールの位置が高く感じたのですが、競技に適した年齢層などもあるのですか?

ゴールの高さは変えることが可能なので、オランダでは5歳ぐらいの子どもから親しまれているスポーツです。さまざまな年齢層の方々が、地域の総合クラブに所属することが一般的で、ひとつのクラブで祖父母から孫までが同じチームで試合をすることもできますね。ファミリースポーツと言われている競技です。

写真ⅱ:眞柴選手とコーフボールをされている皆さん

イメージは『レアル・マドリード』!日本初の「国産グローバルクラブ」を目指して

眞柴さんのような方々がコーフボールを世の中に知ってもらう活動として、どのようなアプローチをされているのですか?

まずはその地域で体験会を実施することが最も大切だと考えています。また、普及という観点では、道具・人・場所が揃ってはじめて競技が実施できるため、必要な用具をオランダなどから手配することも行ったりしています。

コーフボールは、海外の方とも国籍や言葉の壁を超えて、コミュニケーションをとれるスポーツだということも伺いました。

実は、私が目指すクラブチーム像が日本初の「国産グローバルクラブ」なんです。発祥の地でもあるオランダの大会にも、日本からグローバルチームとして参加したいという野望もあります。イメージは、国籍問わずに各国のトップ選手が集まるようなコーフボール界の『レアル・マドリード』ですね。

それが実現可能なことで、単なる夢ではないところがとてもカッコいいですね!

コーフボールに限らず、ベンチャースポーツの良いところは、メジャースポーツに比べると少し努力をすればどんどん活躍できる舞台が大きくなるところだと思います。世界大会への出場が夢ではなく手に届くチャンスがあることは大きな魅力の一つですね。

写真ⅲ:インタビュー中の眞柴選手

コーフボールの普及に取り組み、日常の充実をつくりたい

眞柴さんがコーフボールを通じて伝えていきたいことを教えてください!

私が大切にしている想いは、「日常の充実をつくる」ということです。体験者の方に、「会社と家の往復だけだった人生に新しく楽しみができた」と言っていただいたときはうれしいですね。中でも、ベンチャースポーツに力を入れている理由は、サッカーやバスケットボールなどのメジャースポーツをやってこなかった方や、運動に苦手意識のある方にも楽しんでいただけるからです。30代から始めても、大会に出場して涙して青春できます。そんな瞬間をたくさん届けていきたいですね。

ただ、まずは参加してくださる方々が楽しんで競技をしてもらえることが一番大切だと思っています。スポーツのしきたりなどに縛られず自由に、好きにプレーしてみてほしいですね。

これからコーフボールをやってみたいという方に、ぜひメッセージをお願いします!

自然とコミュニケーションを取ることが必要となるスポーツなので、競技を通じて仲間がたくさん増えることも大きな魅力です!まずは一度、トライしてみてください!

取材後記

ご自身も日本代表として活躍されながら、クラブ運営によって国内を中心にコーフボールの魅力を広めたいという眞柴さんの強い意志を知ることができる取材でした。

また、今回の取材でも度々登場した「ベンチャースポーツ」という表現からも感じられるように、新興スポーツには多くの可能性が秘められていることを改めて感じました。

世のなかに新たな価値を提供されようとしている、眞柴さんの活躍にご期待ください!

眞柴啓輔さんの情報はこちら!

ベンチャースポーツを楽しめるSports world

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