特集2022.08.25

地方でのアメリカンフットボールの格差をなくしたい!「FOOTBALLCAMP in Sendai Powered by rtv」の取り組みとは?

株式会社rtvと任意団体「GDB」は、アメリカンフットボール界のさらなる発展を目指し、今年7月、パートナーシップ「A-Connect」を締結。
両社は「A‐Connect」の締結により、アメリカンフットボールの面白さ、上手くなることの楽しさ、アメリカンフットボールへの想いを人々に伝達すべく、「FOOTBALL CAMP」の実施を計画してきました。そして、来る8月8日、ついに記念すべき第1回を仙台で実施。
両社の熱き想いが詰まった「FOOTBALLCAMP in Sendai Powered by rtv」の舞台裏を、須澤壮太(株式会社rtv)と中谷祥吾(任意団体「GDB」)さんが語ります。

「アメフト界に貢献したい」-2つのアメフト界への熱き想いが実現へと舵を切らせた

「FOOTBALLCAMP in Sendai Powered by rtv」(以下、FOOTBALLCAMP)はどういった想いから始まったのでしょうか?

須澤:私が立命館大学の学生だった時、アメフトのチームがプレイオフになったのにもかかわらず、テレビでの放送がありませんでした。「自分たちの力でなんとかアメフトの魅力を伝えたい」と、ボランティアで中継を始めたことが、弊社創業のきっかけです。
私自身がアメフトをしていたわけではないのですが、アメフト関係者の方々にたくさんのご縁を繋いでいただき、育てていただいた結果、ライブ配信の会社として成り立つことができました。そんな皆さんの温かいお力添えがあって、弊社、そして今の自分があると思っています。
「自分を育てていただいたアメフト界に、いつか直接恩返しがしたい」、さらに「今後の日本のアメフト界を担う大学生や高校生の競技力向上の力になれれば」と考えていたのですが、私が直接クリニックをできるわけでもなく悩んでいたところ、中谷さんらに出会い、実現に至りました。

中谷祥吾さん(以下、中谷さん):コロナ禍によって、思うように部活動ができない厳しい状況の中で、「少しでも学生の力になりたい」という気持ちがありました。自分が現役選手として活動する中で、学生に、そしてアメフト界に少しでも貢献できることがあるんじゃないかという気持ちが生まれたことがきっかけです。
まずは、全国の学生に向けたオンラインクリニックに取り組んできたのですが、やはりオンラインでできることは限られているので、いつかは対面でのクリニックをしたいと考えていました。


念願の対面クリニックの実現を叶えた礎は「少しでも学生の力に」という想い(撮影/杉田恵)

アメフトに熱い想いを抱く多くの選手に、コーチとして活躍してもらえるような場を

実際にFOOTBALLCAMPをおこなってみていかがでしたか?

中谷さん:率直に「やってよかったな」と思いました。今回は、マンツーマン指導をテーマに、QB、WR、DBの3つのポジションに絞ってレクチャーしたのですが、「ちょっとしたきっかけで上手くなれるんだ」ということを実感してもらえたようで、嬉しかったです。
また、オンラインクリニック時代から共に活動してきた北村優選手(オービック)だけでなく、近江克仁選手(IBM)や他の選手も巻き込んで、今回の対面クリニックを実施できたということがよかったと感じています。今回のクリニックをきっかけに、アメフトに対して熱い想いを持っている多くの選手に、コーチとして活躍してもらえるようなプラットフォームづくりの基盤ができたことは、とても大きかったのではないかと感じています。そして、(クリニックを)継続していくことで、アメリカンフットボール界全体に、少しでも貢献していけたらいいなと思っています。

「多くの選手にコーチとして活躍してもらえるような場をつくることで、アメフト界全体に少しでも貢献していけたら」と話す(撮影/杉田恵)

「少しのきっかけで変わることができた」ー指導者としての喜び

参加した学生の皆さんからはどんな反響がありましたか?

中谷さん:今回は、対面でのマンツーマン指導をする前に、座学をおこないました。近江選手と私で30分程ずつ話をしてから、HALEO(http://www.haleo.jp/)さんにフィジカルアップについての栄養講習会をしていただきました。



対面指導だけでなく座学をおこない、多角的なアプローチを試みた(撮影/杉田恵)

参加された学生の皆さんは、ファンダメンタル(基礎)ができていたんですね。基礎をしっかり身に付けていた上で、我々のテクニックを吸収するというプロセスだったので、踏み込んだ部分まで教えることができました。
今回は1年生から4年生まで参加してくれていたので、それぞれ実力が異なっていたのですが、4年生であればかなりレベルの高いことを教えても、ある程度飲み込んでくれました。なので、4年生には、相手との距離感や相手に対するアプローチについて教えたのですが…そうすると、(教えた学生が)マンツーマン(の勝負)で全て勝つことができて(笑)。


「少しのきっかけで変わることができた」ー指導者冥利に尽きると話す(撮影/杉田恵)

マンツーマン勝負で勝った4年生の子のTwitterを後で見てみると、「少しのきっかけで変わることができた」というようなツイートをしてくれていて。とても嬉しかったですし、私たちにとっても有意義な時間だったと感じています。

さまざまな人と共に、「アメフト界のプラスのスパイラルが継続する仕組み」を機能させていきたい

FOOTBALLCAMPをこれから続けていく上で達成したいビジョンや今後の展望を教えてください。

須澤:弊社が「アメフトライブ by rtv」をはじめとするアメフト関連事業を運営しているのは、弊社のアメフトコンテンツがアメフト界において、エコシステムとしての機能を担い、「アメフト界におけるプラスのスパイラルが継続する仕組みの一機能となってほしい」という思いがあるためです。
そのスパイラルの中にこのFOOTBALLCAMPを置くことで、継続したアメフト界における技術力の発展、そして地域格差の解消や学生の皆さんの負担軽減を実現、展開させていきたいと思っています。
こういったビジョンを展開していくためには、弊社の力だけでは及ばないかと思いますので、ビジョンに共感してくださる方々や企業の皆様と共に、継続的な実現を目指し、展開していきたいと考えています。

中谷さん:早速、他の地方大学の方からもお声掛け頂いているので、他のエリアで第2回を実施できたらと考えています。また、関西や関東など、比較的、環境が整っている大学が多い地方でも、ディビジョン問わず、さまざまな学生が参加できるよう、クリニックを展開していきたいです。
クリニックをコンスタントに続けていくことで、さまざまな方を巻き込んでいけたらいいなとも思っています。今回も、rtvさんをはじめ、たくさんの方にご協力頂いて、対面クリニックを実現することができました。もともとご縁があったアグリ京阪(https://agrikeihan.com/)さんに、5キロのお米を3袋も送っていただいたり、HALEOさんにサプリメントをご用意していただいて、MVPの学生に贈ることもできました。やはり、一人暮らしの学生が多いので、フィジカル面での管理が大変なんですよね。体重を思うように増やせないと悩んでいる学生も多いので、とても感謝しています。


MVPとして提供されたお米やサプリメント、経口補水液を手にする学生たち。屈託のない笑みがこぼれる(撮影/杉田恵)

そういった繋がりに感謝しながら、さまざまな方を巻き込み、学生の皆さんに還元できるような仕組みを作る。そうすることで、学生の皆さんに「知らなかった世界に触れるきっかけ」をつくることも、すごく大切だと思っています。
「さまざまなコミュニティを繋ぐ」という意味でのプラットフォームとして、機能させていけたらと思っています。

後日、本プロジェクトの取り組みを「アメフトライブ by rtv(https://amefootlive.jp/)
」にて配信予定です。乞うご期待!