バレーボールでは絶対に欠かせない「リベロ」。リベロは守備専門のポジションの選手です。一人だけユニフォームの色が違うため、試合を見た方は一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。守備として相手のアタックを受け、味方チームのアタックへとつなげていきます。全体を把握して、後ろから指示を出していくのもリベロの役割です。
今回インタビューしたのはバレーボール高橋 頌選手です。小学生のころからプロのバレーボール選手になることを目指していた高橋選手。現在ヨーロッパへの挑戦に向けて準備しています。そんな高橋さんから、リベロの魅力や、海外挑戦にこだわる理由についてお話を伺いました。
高橋さんがバレーボールを始めた理由について
高橋さんが「バレーボール」を始めたきっかけを教えてください。
きっかけは母がバレーボールをやっていたことです。3つ上の兄が現在日本代表として活動していますが、その影響で幼稚園の頃からはじめました。
始めたのは何歳のころですか。
物心つく前からですね。ボールで遊んでいました。正式に始めたのは小学校一年生から、ジュニアとして活動をはじめました。とにかくボールを触るのが好きで、球技が好きで、やっているうちに没頭していきました。
バレーボールのどういうところに魅力を感じましたか?
バレーボールは流れのスポーツなので、駆け引きがあります。駆け引きをして試合を展開していくことに面白さを感じました。
リベロとしてプレーするようになったのは、いつ頃からですか?
最初にリベロとしてのプレーしたのは中学生3年生の時です。もともと小学生と、中学生1・2年生の時はスパイカーをやっていました。高校生の時もスパイカーだったが、膝の靭帯を怪我してしまい、それ以降は完全にリベロに転向しました。
また、リベロの役割やおもしろさについて教えてください。
面白さは後ろからコート全体を見ることができるので、仲間の動きがよく見えます。後ろにしか見えない景色があり、仲間を鼓舞することができます。また、後ろから指示出して、チームを動かすことができるのが面白いです。ちなみに、リベロのポジションだけをやっていた人ではなく、スパイカーなど他も担当していた人だとより指示出しがしやすいと思います。
プロバレーボール選手を目指したきっかけについて
プロバレーボール選手になろうと思ったのは、何歳の頃でしたか?また、それはどうしてですか?
小学生の頃からずっとプロバレーボール選手を目指していました。バレーボールが大好きだったからが一番の理由です。もう一つは兄がプレーしていて、負けず嫌いなところがあり、兄には負けなくないと思い、もっと上を目指すようになりました。小学生の時の卒業論文に「代表選手を目指したい」と書いていました。大学を卒業した後は、日本のVリーグでプレーしていました。
Vリーグ時代、最も印象に残っている選手は誰でしたか?
もともと全日本のリベロだった古賀さんです。古賀さんはフィンランド、フランス、ポーランドなど海外で挑戦していました。選手としての尊敬もありますが、その行動力や、考え方が自分にとって刺激的でした。海外に挑戦する日本人選手として「こうなりたい」と考えるようになりました。
海外挑戦を決意し、挑戦し続ける理由について。
海外挑戦を決意した理由を教えてください。
バレーボールをプレーする中で、「上を目指したい」という思いが強くなりました。日本よりもレベルが高い、各国のトップリーグで挑戦したい。その経験をした上で代表入りを目指したいと考えていました。
もともと、大学卒業する直前に代表レベルのチームのトライアウトを挑戦したが、叶わなかったことがあります。その時「このままでいいのか」と考えるようになりました。海外の身長が高い選手から撃たれるスパイクを受けて、リベロとして、自分が何かを伝えられる選手になることが大事だと思い始めました。
クラウドファンディングも実施されていましたよね。
クラウドファンディングの期間は11日間という短い期間でした。達成できるか不安もありましたが、「やるしかない」と思って実施しました。実際にやる中で、自分でいろんな方法を探せば、生き残っていく道が見えてくるのではと考えるようになりました。
プロ契約を勝ち取るも、コロナウイルスにより日本へ緊急帰国とクラウドファンディングページで拝見しました。海外ではプレーできなかったのでしょうか?
新型コロナウイルスが感染拡大している時、ちょうどポーランドにいました。その時、1部から全リーグまで全試合中止になってしまい、緊急帰国という形になりました。今では簡単に入国できない。入国したら隔離されたり、クラブによってはスポンサーが減ってきていると思うので、現地のヨーロッパ選手を取る方がコストがかからないという状態なので、より挑戦しづらい状況になっています。
海外挑戦をあきらめないのは、どうしてでしょうか?
もちろん日本でプレーをすることも考えましたが、日本人のリベロ選手がまだ活躍できていない場所で挑戦したいという思いが強かったからです。プレーをするなら、日本を飛び出て海外レベルの場所で挑戦したいという気持ちは変わらないままです。
今後の展望について!海外に挑戦する選手の道しるべになりたい
今後の夢や目標を教えてください。
今後の夢は「日本代表に選ばれること」と、「ヨーロッパ、イタリア、ポーランドで日本人リベロとして結果を残すこと」です。自分がポーランドで挑戦した時に、そのレベルの高さに「自分の居場所はここだ」と感じました。イタリア、ポーランド、世界的にレベルが高いブラジルなどで、日本人リベロとして結果を残したいです。
それを実現するために、どのようなアクションを考えていますか?
11月からヨーロッパのシーズンが始まります。それまでに海外に直接行って、トライアウトを受けたいです。そして11月のヨーロッパシーズンに参加して、来年の5月に日本に帰省するというのが今シーズンの目標です。
最後になりますが、どのような選手になりたいですか?
日本人選手リベロでヨーロッパのトップリーグで活躍する選手になりたいです。また今後、日本から海外に挑戦したいという選手が出てきたときに、道しるべになりたいと考えています。今まで挑戦している選手もいるが、リベロとしてヨーロッパで活躍するのは難しいところがあるので、自分が挑戦して先駆けとなりたいです。
取材した感想
「日本人選手のリベロとして、ヨーロッパのレベルで活躍したい」という強い思いを持つ高橋選手。バレーボールの試合ではリベロの存在は欠かせず、本当に難しいポジションですよね。さらに上を目指して挑戦している姿がとても印象的で、高橋選手はこれから海外挑戦をしたい選手の「道しるべ」になる存在だと感じました。挑戦を続ける高橋選手をこれからも応援していきたいです。(津久井)
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