特集2022.04.14

魔法を放ち、まだ見ぬスポーツを伝える⁉︎HADO選手・藤原昂亮が体現するマイナー競技案内人という存在とは。

近年、eSportsが市民権を得るようになるなど、スポーツの自体の定義や幅が拡がりつつあります。
その中で野球やサッカーなど既存のいわゆるメジャー競技以外のマイナースポーツを楽しむ動きが活発になってきています。
今回取材する藤原昂亮(ふじはら・こうすけ)さんはAR(拡張現実)を使ったニュースポーツ・HADOの選手でありながら、まだ名前も知られていないようなマイナー競技を実際に観て、やって、魅力を記事やSNSを通して発信しています。
果たしてどのような経緯でスポーツに関わるようになり、唯一無二とも言える今の活動を行うようになったのでしょうか。

ニッチなスポーツに関わるようになった理由

まず藤原さんの今の活動について教えてください。

メインの仕事としてはSNS運用支援を主にしていて、その他にライターとしてスポーツの取材をしたり、HADOというスポーツをしています。その前は実は以前は小さい学習塾をしていました。

スポーツとの接点はどのようにつくっていったのでしょうか?

元々学生時代はサッカーをやっていて、スポーツは自己表現の一つと捉えていました。観戦するのも好きで、知らない人とも盛り上がれるところに魅力を感じていたんです。
学生時代から自分が好きなスポーツに関することがやりたくて、セミナーやプロチームのインターン、ボランティアなどにも参加していました。
でもどれも自分が貢献できるのはほんの一部で、できることは限られていました。
そんな中でコーフボールの眞柴さんと出会います。眞柴さんを通してマイナースポーツに関わる人の熱量や悩みを知り、実際に触れたことで僕はこれなら自分に貢献できることがあるかもしれない、と思いました。
そして、まずはまだ知られていないスポーツの世界を伝えられる場を作ろうとメディアを立ち上げ、知り合いからインタビュー取材をしていったんです.

これまでどのくらいの数のスポーツに関わってきたのでしょうか?

メディアで紹介したのは150競技ほどですね。そのうち実際に体験したのは80、深く関わったのは10競技ほどです。でも実は名前を知っているスポーツは300ほどあるんです(笑)
なので今後は実際に触れるスポーツをもっと増やしていきたいと思っています。
やはり体験しないと分からない魅力があるので、やってみてアウトプットに反映させたいですね。自分自身が単純にいろいろなスポーツをやるのが楽しいというのもあります。それが続けられている要因の一つかもしれません。
今後もこうした活動を通してスポーツをする上での選択肢を増やす機会を提供していきたいと思っています。

誰も知らなかったところからブレイクしたスポーツとその特徴を教えてください。

広まったスポーツは誰もがやりやすいルール、場所を選ばずどこでもできる、SNSで発信して仲間を作りやすいなどの共通点があると思っています。
多くの人に知られるという点では、例えばテレビでの収録のしやすさなども関係しているはずです。
頭ひとつ抜け出した印象があるのはモルックですね。さらば青春の光、森田さんが日本代表になってメディアに取り上げられたことをきっかけに大きな広がりを見せています。
今後流行りそうな競技はラウンドネット、SASEEN、フットゴルフ、パデルですね。ぜひ注目してください!

新感覚スポーツ・HADOの魅力は「平等性」

様々な競技がある中で藤原さんはHADOというスポーツをされているそうですが、どういったものなのでしょうか。

HADOは簡単に言うと、頭にゴーグル、腕にセンサーを着用してゲームの世界に入り込み、ドッチボールをする競技です。
AR(拡張現実)を駆使することで、アニメやゲームのように相手を攻撃するボールや防御するシールドを出せるようになります。

実際のスポーツと比較して面白いと思うところを教えてください。

ゲームの世界ではありますが、実際に自分の体を動かして競技を行うという点では普通のスポーツと共通しています。
一方で身体能力の差が出にくいという点で平等性があるのが面白いところです。
というのもHADOはチームに対して能力ポイントが与えられていて、それをメンバー一人ひとりに対して割り振るんです。
ボールをチャージするスピードや守るためのシールドなど合計4つの項目の能力を
最大5段階で振り分けます。最低1以上は必ず必要で、合計10にならないといけないと決められており、そこにチームの戦略の差が生まれます。
競技の中での能力差をつけることで、元々の体のスキルに左右されない平等性を保てるのがHADOの特徴でもあり、面白い部分です。
競技は80秒で、3対3で行うのでそういった戦術はもちろんのこと、やはりチームプレーが必要ですね。
誰か一人が強いのではなく、連携が重要になってきます。

今までスポーツに苦手意識があった人も楽しめそうですね。

平等性で言えば、ドッジボールのようにボールを当てられても痛くないという点が、苦手意識を持つ人には良い点だと思います。
例えば子どもの頃、ドッジボールで強い球を投げられて怖い経験をしてから苦手意識を持っている人もいると思います。
それがHADOでは当てられても痛くないですし、そもそもボールを投げる強さをステータスによって変えられるわけです。
そのおかげで子どもと大人が戦っても一緒に楽しめましたし、初心者向けの体験イベントをしたときも、圧倒的な差が生まれないので盛り上がっていました。
ボールを出すのに筋力がそこまで必要にならず、年齢を重ねてからも楽しめるので、全世代が楽しめる未来が来るかもしれませんね。

選手として、発信の担い手としての展望

様々な競技を体験した上でマイナースポーツの課題をどのように捉えていますか?

金銭面で苦労している人が多いことと、人手が圧倒的に足りていないことです。
発信面を例にすると、HPやSNSの更新頻度が少なく、認知してもらうための活動ができていません。
また、更新できていても、自分の競技の周りだけにしか届けることができず、盛り上がることも小さい。
それに対しては、自分でメディアを運営して50近くのスポーツの一覧を作って、公式HPやSNSに飛ばせるようにして、競技名を知らなくても興味を持てるきっかけを作っています。
横断して競技について知っているし、SNSでも繋がりが増えているので、さまざまな方法でリーチが可能です。
特に、SNSの運用に関しては自身の仕事としても企業やアスリートの支援をしているので、悩みを持っている人の力になれると思います。

藤原さんの今後の展望を教えてください。

一人ひとりが自分に合ったスポーツと出会い、その競技と関わることで楽しい時間が増えるなら嬉しいですね。
それはアスリートとしてトップを目指すことでも、観戦することでも、毎週仲間とスポーツを楽しむことでも、普及活動でもいいんです。それぞれのスポーツで、さまざまな関わり方をしてもらいたいです。
そのために選択肢を増やしたり、知るきっかけを作るべく、自分は発信を続けていきます。
ただ、一人でそのビジョンは成し遂げられないので他にも活動している人と協力していきたいですし、メディア面・SNSでの発信面で困っている人は支援していきたいと思います。
そうすれば自分一人では届けられない人にまでスポーツの魅力が伝わって、僕が作りたい世界観にも近づいていくはずです。
スポーツの魅力を伝えていきたい人、一緒に活動していきましょう!

藤原さんの情報まとめ

現在の活動について(note)
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