特集2021.08.16

デジタルチャンバラ「SASSEN」がおもしろい!協会代表の本村隆馬さんに魅力を聞いてみた

ITを使ってサムライの真剣勝負を現代に再現した次世代のエンタメ系デジタルスポーツSASSEN(サッセン)。SASSENは家の中でも、公園でも、どんな場所でも手軽にできるセンサー内蔵のデジタルチャンバラとして着実に競技人口が増えています。

今回インタビューしたのは、全日本SASSEN協会代表の本村 隆馬さん。本村さんは実家の空手道場で指導をされながら、2016年にSASSENを競技として立ち上げました。現在はインストラクターとして体験会を開催し、SASSENの普及を進めています。

本村さんにSASSENのルールや魅力についてお話を聞きました!

写真ⅰ:本村隆馬さん(本人提供)

そんな本村さんにSASSENのルールや魅力についてお話を伺いました!

IT技術でサムライの真剣勝負を再現!SASSENの立ち上げ秘話

「SASSEN」とはどんなスポーツなんですか?

SASSENは「IT技術でサムライの真剣勝負を再現したコンセプトで生まれた次世代のエンタメ系デジタルスポーツ」です。アプリと連動し、「SASSEN刀」を利用します。誰でも、どこでも、家でもできる手軽さを売りにしました。

新競技ですよね!なぜSASSENを立ち上げようと思われたのですか?

実は、SASSENの元となるものがありました。北九州にある実家が空手・武術を教えており、そこで教えていた護身術が元になっています。護身術として教えていたときに「颯然(さつぜん)」という名前で呼んでいました。また、宮本武蔵の二天一流にも「指先(さっせん)」という言葉があり、それをもとに「SASSEN」と名前をつけました。

デジタルとの融合という点にとても目新しさを感じました。

きっかけは、競技として目視での判定が難しかったことです。目視だと、お互いに打ったときの同時の判定が難しく、不満がありました。審判の問題を解決するためにデジタル化することを決めたのです。開発担当は幼少期に同じ道場に通っていたご縁があったので、開発をお願いしました。平成28年にアプリ開発をお願いし、ITを活用したスポーツになりました。

SASSENを立ち上げる際に、苦労されたことはありましたか?

最初の頃はちゃんと刀が反応するか、壊れないかどうか、赤ちゃんみたいにずっと見守っているような状態でした。今の状態になるまで、強度も含めて何度も改良しています。今は別の部屋から見守ることができるほどになりました(笑)ですが、今の形が完成ではなく、SASSENは成長過程にあると思っています。

現在のSASSENになるまで、何度も改良されたんですね。

そうなんです。また、自分たちが作ったスポーツなのでもともと世間になく、「SASSENとは何か」を伝える方法に苦労していました。立ち上げた当初は「笑顔になれる健康スポーツ」と言っていたのですが、それはSASSENじゃなくてもできてしまう。立ち上げた当初から、「SASSENとは何か」を常に探していました。そして、やっと「IT技術でサムライの真剣勝負を再現したコンセプトで生まれた次世代のエンタメ系デジタルスポーツ」というフレーズを見つけることができました。

初めての挑戦!「SASSEN」のルールについて

写真ⅱ:白熱する試合の様子(提供:本村さん)

攻撃できるのは5打まで。緊迫感あふれるSASSENのルール

SASSENの試合を見学しましたが、かなり緊迫感がありました。

緊張感がある、ピリッとしている空気は試合の理想像だと思っています。SASSENはむやみに振ることができない、「攻撃できるのは1試合を通して5打(5スイング)まで」というルールがあります。制限された回数の中で、的確に打ちに行く必要があります。殺陣のように、人と人との殺気があるのもおもしろさだと思います。

SASSENのルールについて教えてください!

SASSENの試合時間は60秒です。選手は専用のセンサー付きSASSEN刀を持ちます。フィールドは5m×7m内を推奨。相手の体(頭部は除く)に1打当てると「一本」となります。「二本」先取、もしくは、60秒経過時点で本数の多いほうが勝利です。ただし、フィールドの外に出る「場外」はペナルティーで相手に一本が入ります。

かなりルールがシンプルですね!

そうなんです。先ほどのルールをもとに、アプリとSASSEN刀があれば、どこでも、誰でも、いつでも試合をすることができます。試合では、目や耳が不自由な方も参加できるように、SASSEN刀の色をプレイヤーによって白・青と変えたり、それぞれの刃が当たったときの効果音を分けています。

「必勝法」は存在しない。自分の強みを生かして試合に挑める!

「SASSEN」競技の魅力、楽しさ、また難しさについて

写真ⅱ:子供とプレーする選手(提供:本村さん)

参加するうえで、SASSENの魅力について教えてください!

まず、緊張と緩和のスパンが短いです。試合時間が1分間と言いながら、ものの15秒くらいであっという間に終了します。「なぜ負けたのか」「勝った理由は何か」など反省するスパンは短く、またすぐに15秒ほどで試合が終了します。もちろんなぜ負けたのか戸惑う人もいますが、すぐに考え、すぐ次の試合に参加するという点で、思考する力が培われます。短い時間内で、トライアンドエラーをひたすら取り組んでいくこともおもしろさの一つです。

SASSENのルールを聞いて、誰でもできるスポーツだと感じました。

誰でも挑戦できるスポーツです。老若男女問わず、50代、60代で試合に出ている方もいます。ご家族も、3世代にわたって遊ぶことができますよ。試合以外でも、レクリエーションでは鬼ごっこなど家の中でも遊ぶことができますよね。

反対に、SASSENの難しいところはどんなところですか?

SASSENの難しいところは、連勝が難しい点です。というのも、SASSENでは「必勝法」がまだありません。1年に4回優勝した方がいますが、「絶対に勝てる」というものがSASSENにはまだ存在しないのです。

なぜ連勝が難しいのでしょうか。

出遅れたり、「ふう」と集中力が切れたら、すぐに打たれてしまうからです。また、対戦相手との相性も大きく影響します。対戦相手がカウンターが得意なタイプか、自ら攻めていくタイプかで相性が変わります。自分ならではの攻めの得意な型を見つけることができるのもおもしろさの一つだと思います。自由に考えていいので、小さい頃にチャンバラなどで考えていた「あの技を使おう」というような工夫ができるのも特徴です。

「自分ならでは」で試合に参加できるのがいいですね!

はい。基本ルール以外では制限はないので、自分の強みを生かして試合に挑むことができます。思考して遊ぶことができるので、体験された方々から「SASSENおもしろい!」と言っていただくことが多く、それが本当に嬉しいです。

ちなみに、どんな方がSASSENで活躍しやすいですか?

「HADO」という運動系eスポーツをやっている方が特に活躍しやすいですね。相性がいいみたいです。実は、意外と剣道している方の方が優勝しづらかったりします。他には、ラケット競技をやっていた方が強いことが多いです。ラケットに当てる動作など、反射神経を活かすことができると思います。また、ビーチバレーをやっていた方は、飛び込みレシーブの動きを使って試合に臨んでいました。

SASSENを体験したインターン生に質問!

実際に「SASSEN」を体験してみたインターン生の声

写真ⅳ:インタビューの様子

SASSENを体験してみていかがでしたか?

内田ゆめ:最初は「どんな感じなんだろう」と思い、SASSENの体験会に参加しました。今までスポーツを7種目やっていたのですが、SASSENを体験してみて今までのスポーツ経験が活かされると感じました。また、運動神経だけじゃ戦えず、頭をすごく使います。どういうふうに試合時間を使っていくのか、また相手の出方や考えを読み取る力が必要でした。考えながらフェイクをしたり、おもしろかったです。

今までのスポーツ経験はどういったところに活かされると感じましたか?

バスケ、テニスなどの球技の動きや、反射神経です。また、腕が長いことに今までメリットをあまり感じていなかったのですが、ピッチの長さで打つことができました。緊張感があり、ただ戦うだけでなく、遊びとしてもずっと飽きなかったです。

今回はどんな体験会に参加しましたか?

今回は団体戦に参加しました。初めて会った方々とコミュニケーションを取っていきます。今回初出場でしたが、主将を務めました(笑)参加者の年齢は幅広く、会社員の方は高校生もいました。SASSENを通じて、交流ができて本当に楽しかったです。参加してみて、初心者でも経験者でも差がつかず、コツがわかれば勝つことができる!と感じました。

初参加にもかかわらず、とても活躍していましたね。

はい。SASSENの日本代表を目指していこうと思いました(笑)参加者の方々は男性の方が多いですが、女性でも優勝したことがあるとのことで、挑戦していきたいと思いました。

初めての方に向けて、SASSENの魅力を教えてください。

一番いいと思ったのは、たくさんの方々と交流できることです。他の競技だと年齢層が若かったりしますが、SASSENは違います。アクティブに動きすぎることはないので、幅広い年代の方にも楽しんでもらえると感じました。刀は日本らしさがあるので、海外の方にもとても魅力的だと思います。音がとてもかっこいい。侍になったような感覚がありました。

実際に「SASSEN」を体験してみたインターン生の声

写真ⅴ:SASSENを体験したGrowSインターン生の内田ゆめ

アニメやアイドルともコラボ!SASSENを、日本から世界へ!

「今後の展開について。ぜひ「SASSEN」を体験してほしい!

写真ⅵ:インタビューに答える本村さん

本村さんから、初めて挑戦する方へのメッセージをお願いします。

今まで自分が経験したスポーツから、何かしらSASSENに生かすことができます。それを見つけることができる楽しさがあります。まずはSASSENの体験に参加していただきたいです。体験してもらえれば、短い時間内の試合の中で、また新しい発見があると思います。

遠方の方にも、SASSENを体験していただくために。

SASSENは家でも練習ができます。試合はiPadを使用し、判定はアプリを通して行うため、実際の試合と判定に差はありません。ご自宅で、ご家族とぜひ一緒にSASSENを楽しんでいただきたいです。

体験会はいつ行っていますか?

秋葉原では毎月第2第4の日曜日に体験会を開催しています。SASSENのホームページとツイッターで情報を更新していますので、ご確認のうえ、ぜひ来てください。いつも7割~8割は未経験の方々です。半日やっていくと、未経験の方と経験者が同じレベルになったりします。僕はよく2回戦で敗退しますね(笑)未経験でも吸収すれば、勝ち進んで行くことができます。

 ホームページを拝見しました。レクリエーションもあるんですね!

実はSASSENを楽しんでいただくために、レクリエーションも行なっています。目隠しして、SASSEN刀を使用してスイカ割りをやっていただいたり(刀を地面に置いて、先に鳴らしたら負け)。エンタメ系なので、SASSENを楽しんでもらえるために遊び方を考えています。

 SASSENの遊び方がたくさんありますね。

はい。SASSENを体験された方から、よくご提案いただきます。僕自身、いろんなことに挑戦して、SASSENの可能性を発見しています。テレビを見て「このコンテンツ、SASSENならどんなふうに遊ぶことができるか」などよく考えていますね。

今後の展開について

現在は「鬼滅の刃」と掛け合わせたり、他コンテンツとのコラボレーションに取り組んでいます。現在のコラボは「アイドル」です。オフ会でSASSENを使って、アイドルとファンが戦います。推しのアイドルと戦いたい、推しの写真を撮りたいといったニーズに合っています。今後は、アイドル同士の戦いをライブ配信するなども考えています。

今後のSASSENの展開に注目ですね!

今後は、インストラクターを47都道府県増やしていきたいです。まずは日本での普及を目指し、今後は外国にも広めていきたいと考えています。将来的には、山奥だったり、砂浜の上だったり、それぞれの特徴を持ったフィールドごとに試合を展開していきたいですね。SASSENの名前の由来になったように、いつか宮本武蔵のように巌流島で試合をしたいです。

新スポーツだからこそ、今後のSASSENの展開を楽しみにしてもらえたら嬉しいです。ぜひ皆さんに、一度体験会に来てほしいです。

取材した感想

写真ⅶ:左から内田ゆめ、本村隆馬さん、津久井智子(インタビュアー)

取材後記

全日本SASSEN協会代表 本村さんのお話をお伺いして、「SASSENの無限の可能性」を感じました。新しいスポーツだからこそ、本村さんはじめ、参加者同士がアイデアを出し合い、よりSASSENをおもしろいスポーツに成長させているように感じました。アイドルなど新しいコラボはもちろん、日本中、世界中に発展が期待できるSASSEN。ぜひ一度、体験会にご参加のうえ、SASSENの魅力を知っていただけたら嬉しいです。

本村隆馬さん/SASSENの情報はこちら!

問い合わせ先

一般社団法人 全日本サッセン協会【SASSEN】
会長 本村 隆馬 (Ryuma Motomura)
メールアドレス:info@sassen.jp

毎月秋葉原で体験会・関東大会開催中!
https://sassen.jp/sassen-akihabara/

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