特集2022.07.18

きっかけは大阪城!?大胆キャリアチェンジでランニング界№1インフルエンサーに

お城とランニングをこよなく愛し、日本城郭検定3級も保有するマラソンランナー、きゃっするひとみーさん。3人の子育てとマラソンランナーとしての活動を両立しながら、月間200㎞以上を走ります。きゃっするひとみーさんとランニングの出会いは、2人目出産後のこと。「お城×ランニング」というユニークな視点に火が付き、3年前から本格的に始めたというInstagramが、今では8万人以上のフォロワー数を誇ります。「パートナーや子育て経験の有無に関わらず、女性一人ひとりが、それぞれに思い描くライフスタイルを体現するしなやかさをもつことが大切だ」と語るきゃっするひとみーさん。「スポーツ×ライフワーク」という視点でお話を伺いました。

大阪城に行くたび迷子に…

きゃっするひとみーさん(以下、きゃっするさん)は普段、どのような活動をされているんでしょうか。

はじめまして、きゃっするひとみ―と申します。主に、InstagramやYouTubeを通じて、「お城とランニング」についての発信をしています。

「お城とランニング」ってユニークな視点ですよね。きゃっするさんが、「お城とランニング」に魅了されていったきっかけは何だったのでしょうか。

ランニングを始めて、大阪城に行くようになったことがきっかけです。当時、大阪に住むようになってから既に30年以上経っていたのですが、大阪城に行ったことがほぼ無くて。大阪城にランニングに行くたびに迷子になっていました(笑)。でも、「今日、自分はどこを走っていたんだろう?」と調べていくうちに、大阪城の歴史の深さや史跡としての素晴らしさに感動し、どんどんのめり込んでいきました。

「お城×ランニング」がヒットし、あっというまにフォロワーが増加!

なるほど!小さな感動をきっかけに、お城とランニングの両方に魅了されていったんですね。この魅力を多くの方とシェアしようと思われた経緯について教えてください。

当時、「ランナーズ(「ランナーズ」出版)」という雑誌の女性ランニングチームに選ばれていたので、ランニングの魅力を読者の皆さんに発信するという、公式的な役割も担っていて。ランニングって、忍耐力や体力を求められるスポーツでもありますよね。なので、「お城の歴史や景色を味わいながら、ランニングを楽しむ(お城×ランニング)」という切り口で発信していくことで、より心身健やかにランニングを楽しめるのではないかと考えたんです。実際にInstagramで発信してみると、あっという間にフォロワーが増えて…。もちろん、多くの方に喜んで頂けるという嬉しさもありましたが、フォロワーを増やすことを意識して始めたわけではなかったので、不思議な感覚もありました。

正社員からインフルエンサーへ、「周りのあたたかさ」が背中を押してくれた

すごい!この出来事が、今のきゃっするさんの活動とご活躍に繋がっているような印象を受けるのですが、当初から発信の仕事については視野に入れられていたのでしょうか。

活動を始めた頃は、1番下の子どもがまだ入園前でしたし、他の企業で正社員としても働いていたので、忙しくて…。なので、当初は「お城×ランニング」の発信を仕事にすることは想定していませんでした。ですが、発信することが純粋に楽しくて投稿を続けていたところ、NewSPO.の小澤代表(NewSPO.代表・小澤剣人氏)から「(きゃっするひとみーとして)発信の仕事を本業にしてみないか」と声を掛けて頂いて。そこから、「きゃっするひとみー」としての仕事を本格的に始めることになりました。今は、インフルエンサーとしての活動に加えて、マラソン大会のMCやゲストランナーとしての活動、私が立ち上げたチームに所属する皆さんにマラソンの指導をおこなったりしています。

会社員からマラソンランナーへの大胆なキャリアチェンジ、心配事や不安はありませんでしたか。

小澤代表からオファーを頂くまでは、会社員としての仕事がメインで、インフルエンサーとしての活動はあくまでも副業のような感覚で両立していたので、やはりとても悩みました。「インフルエンサーとして自分を職業にする働き方」なんて、人生で1度も考えたことがなかったので…。そんな「不安」と新しいことに挑戦してみたいという「期待」の狭間で心が揺れていた時、会社員時代の同僚や上司に「1回、挑戦してみなよ!」とあたたかく背中を押してもらったこと、小澤代表に「金銭面や待遇面でも不安がないように寄り添うよ」と受けとめて頂いたことが、キャリアチェンジを決心する大きな支えになりました。本当に感謝しています。

「女性ランナーのイメージをアップデートしたい」

お城との出会いやNewSPO.小澤代表との出会いなど、さまざまなきっかけが、今のきゃっするさんのご活躍に繋がっていたんですね。実際にマラソンランナーとしての活動を本業にされてみて、いかがでしたか。

例えば、全国でお城に関するランニングイベントをすると、私よりお城に詳しいランナーさんとお会いする機会もあって。発信する立場でありながらも、応援してくださる皆さんからも教えて頂ける機会に恵まれることは、ありがたいことですし、とても嬉しいです。また、発信の仕事をしていく上で、「女性ランナーのイメージをアップデートしたい」ということを意識していて。私自身、ランニングと関わっている中で、「ランニングはキツいもの」という固定観念が世間に定着しているように感じていて…。でも、私にとってランニングは「忙しい毎日の中で、自分自身と向き合う時間を叶えてくれるもの」だったんです。世間一般のイメージとは180度違うものかもしれませんが、そういったランニングに対する新しい世界観を表現できることに、とてもやりがいを感じています。

ボディメイクを楽しんだり、自分自身と向き合う時間をもつことは、心を豊かにしてくれますよね。きゃっするさんが思い描く「女性らしさ」を叶えるために、意識されていることはありますか。

私は、マラソンランナーとして、ただ効率的に体を絞るのではなく、なめらかなボディラインや肌のツヤなどを兼ね備えた健康美を目標にボディメイクすることを心掛けています。食事面であれば、マラソンランナーとしての疲労回復効果も、女性らしい体づくりを促進してくれる美容効果も、どちらも期待できるような食材選びを意識しています。例えば、鯖はヘルシーなだけでなく、ランニング後の疲労回復促進効果(血管を柔らかくする効果)を期待できる良質な油が含まれているので、私はよく鯖缶を使ったレシピを楽しんでいます。また、日常では、お尻やお腹の筋肉を常に意識するようにしたり、ランニング時の着地に意識を向けることも大切にしています。

まさに、美は1日にして成らず!日頃からの小さな心掛けや継続が大切なんですね。

ランナーとしての体づくりも、女性らしいボディメイクも、長い目で考えて、積み重ねていくことが大切だと思います。そのためにも、「好きなものをお腹一杯食べたいな」と思う自分の気持ちにしっかり寄り添ってあげることも大切です。食べるときは、「太るかも…」などと考えず、好きなものを思いっきり食べられる幸せを嚙みしめながら、食事を楽しむことがポイントだと思います。

「ひとりの女性としてどうありたいか」に寄り添って

自分の気持ちに寄り添いながら、継続していく心構えがポイントなんですね。とはいえ、きゃっするさんご自身も3人のお子さんを子育て中ということで…。マラソンランナーと子育て生活の両立をハードに感じることもあるのではないでしょうか。

もちろん、ハードに感じることもありますし、気持ちが赴くままに好きなものを食べて、心を満たしたいなと思う時もたくさんあります(笑)。でも、子育てをしながら、マラソンランナーとしての意識を保ち続けることを、特別なことだと思ったことはないんです。パートナーの有無や子育て経験の有無に関わらず、女性一人ひとりが、それぞれに思い描くライフスタイルを体現するしなやかさをもつことが大切なんじゃないかなと思っています。

家族構成やステータスに関係なく、まずは、一人の女性として自分が思い描くライフスタイルにフォーカスすることから始めるということが重要なんですね。きゃっするさんがご自身の活動や思いを発信される上で、大切にされていることはありますか。

「きゃっするひとみーというひとりの人間をみてほしい」という気持ちを常に大切にしています。実際、3人の子育てをしながら、マラソンランナーとして自分を表現する仕事をしていますが、あえて「子育て中」ということを前面に押し出すことはしていなくて。子育てと仕事を両立していることに対して「すごいね」という言葉を掛けて頂くこともあるんですが、私自身、それを特別なことだと思ったことがないんです。なので、私自身に興味をもってもらった上、自然な形でライフスタイルを知ってもらえたら嬉しいなという気持ちで活動しています。性別に関わらず、人は、それぞれに素敵な魅力や個性を放っていますよね。結婚しているからとか、子供がいるからとか、そういったことに関わらず、まずは「きゃっするひとみ―というひとりの人間」を知ってもらうことが大切だと思っています。そういった思いから、SNSに載せる言葉や表現についても、きちんと意志を持って、選ぶようにしていますね。

きゃっするさんが描くこれからのキャリアを教えてください。

大きく2つのキャリアを思い描いていて…。まず1つは、お城に関するマラソンイベントを活性していきたいなと思っています。NewSPO.に所属した時期がコロナ禍と重なっていたので、なかなか思うようにイベントを開催できなかったんです。もちろん、状況を見ながらではありますが、イベント開催に向けてより前向きに取り組んでいけたらいいなと思っています。2つめは、「女性に対するアプローチ」です。これまでの人生、もちろん楽しいことだけでなく、しんどいことや大変なことも幾度となく経験してきました。ですが、そういった状況のなかでも明るい光を掴んで、楽しいことや自分自身が前向きになれることを探す前向きさが、私をこの景色に連れてきてくれたんじゃないかと思うんです。こういった私自身の経験を多くの女性の皆さんとシェアしたり、メンタル面でのサポートを通じて、女性の力になれるような活動をしていけたらといいなと思っています。

https://newspo.co.jp/castle-hitomi/
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