特集2023.02.01

自分で自分を輝かせ、キッズ世代のロールモデルへ!横浜ビー・コルセアーズ チアリーダー B-ROSEユース【#わらバスvol.7】

FIBAバスケットボールワールドカップの開催時期に合わせて全国のバスケキッズにコンディショニングを普及する「#わらバス−みんな一緒に、笑ってバスケ!プロジェクト−」。今回は、Bリーグ 横浜ビー・コルセアーズのチアリーダーであり B-ROSE 総合プロデューサーの植村綾子(うえむら・あやこ)さん、B-ROSEユース インストラクターの絵美(えみ)さん、白澤南帆(しらさわ・なほ)さんにお話を伺いました。プロバスケットボールチームに所属するチアリーダーの育成において「地域の女性のロールモデル」を目指した指導をされているインストラクターの皆さんの想いから、「誰もが【強く・長く・楽しく】バスケを続けられる未来の実現」のヒントを紐解きます。

「#わらバス」キーパーソン:B-ROSE総合プロデューサー・ユース インストラクターの皆さん

▲Bリーグ 『横浜ビー・コルセアーズ』のチアリーダー・ B-ROSE 総合プロデューサーの植村綾子(うえむら・あやこ)さん(写真右)、B-ROSEユース インストラクターの絵美(えみ)さん(写真中央)、白澤南帆(しらさわ・なほ)さん(写真左)

―本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。3名の先生方にお話を伺える豪華な取材にドキドキしています。
植村さん「今日は関西からお越しいただいたんですよね?こちらこそ、遠方から本当にありがとうございます」

―チアリーダーB-ROSEさんのパフォーマンスを初めて拝見した時に「こんなに美しい揃い方ってあるんだ…」と衝撃を受け、今ではB-ROSEさんを生で観たくて、横浜国際プールに来ています。
植村さん「嬉しいです!」

―今回は、「#わらバス -みんな一緒に、笑ってバスケ!プロジェクト-」のテーマである『キッズ』にフォーカスし、B-ROSEユースやスクールでの育成を軸としたお話を聞かせていただけたらと思います。
植村さん「承知いたしました!よろしくお願いします!」

―まず、B-ROSEの総合プロデュースの中で大切にされていることを教えてください。
植村さん「B-ROSEでは、スクールやユース、トップチームに通ずる根底の概念として、『チアスピリット』を大事にしています」

▲B-ROSEのチームイメージは「ノーブルビューティー」。ハイセンスな港町・横浜に似合う「気品ある美しさ」を子どもたちに身につけてもらいたいと話す

―チアスピリット?
植村さん「一言で表現すると、『人を励まし、お互いを尊敬する協調性、前向きな気持ち』です」

―なるほど!トップチームのパフォーマンスに元気をいただける秘訣を垣間見たような気がします。
植村さん「チアパフォーマンスを通じて、ただダンスを踊るだけではなく、見てくださっている方と笑顔の交換をすることを大事にしています。未就学児から大人まで、『女の子のお手本』から『横浜の女性の象徴』となるべく存在になれるように、成長のステップを構築しています」

―『横浜の女性の象徴』。
植村さん「横浜は、ハイセンスでお洒落、そして異国情緒のある港町です。私たちB-ROSEのチームイメージは『ノーブルビューティー』。『気品のある美しさを纏う女性が横浜に似合う』という、12年前の創設の頃から変わることなく、大切にされてきたコンセプトです」

―なるほど。ご当地性を体現する存在でもあるのですね。【#わらバスvol.1】(https://grows-rtv.jp/contents/article/4728)でも挙がったトピックスです。
植村さん「トップチームが横浜の女性として恥ずかしくない、お手本のような存在だとすると、ユースやスクールのメンバーは彼女たちの世界…例えば、学校のクラスの中での『お手本となる存在』を目指しています」

―具体的にはどんな事柄でしょうか。
絵美さん「チアリーダーとして、挨拶やお返事、立ち居振る舞いなどがしっかり出来ること、さまざまな場面で自分やお友達をチアアップできるマインドを持つことなどですね」

▲B-ROSEユースとしてホームゲームアリーナを華やかに盛り上げるという使命、B-ROSEユースとしてどうあるべきかを、子どもたちとのミーティングで話し合うようにしていると話す南帆さん

―このような全体の方針に加え、特に中高生クラスのご指導で大切にされている点はありますか。
白澤南帆さん(以下、南帆さん)「中学生・高校生クラスは、心技体ともに自立したチアリーダーになるための準備期間だと思って指導しております。Jrユースサテライトクラスは、B-ROSEユースの中では学年が一番上になりますので、まずはキッズクラス・ジュニアクラスのお手本になれるよう、そして、プロであるB-ROSEの姿をお手本に、日々のレッスンや試合出演等を通してプロ意識を養っています」

―中高生からプロ意識を…!
南帆さん「単なる成果披露の発表会ではなく、「B-ROSEユースとしてホームゲームアリーナを華やかに盛り上げる」という使命を担っています。B-ROSEユースとしてどうあるべきかを、ミーティングで話し合うようにしています。また、スポーツチームのチアリーダーなので、クラブ全体にも興味を持つよう伝えています。ちょうどレッスン後が試合終了時刻なので、みんなで4Qの最後をライブ配信で見届けたりもしています」

▲観客の前で演技を披露し、試合に華を添えるB-ROSEユースの皆さん(写真/©︎B-CORSAIRSご提供)

―スポーツチームのチア。
南帆さん「スポーツチームのチアリーダーは、ファン・ブースターの皆さんと選手とアリーナの空気感を繋ぐ存在だと思っています。チームを勝利に導くべく、パフォーマンスを通して、アリーナの空気感をリードする。足を運んでくださるお客様に楽しんでいただけるよう、ショーマンシップの精神を持ち、エンターテイナーとしておもてなしをする。このように、会場全体を瞬時に考え、判断した上で行動していく事がとても大切になってきます。B-ROSEユースは、B-ROSEと一緒に活動することもあります。その姿勢を身近で感じ、部活動などでは体験できないことを体験できるので、彼女たちにとっても素晴らしい経験だと思います」

―小学生のクラスはいかがですか。
絵美さん「小学生のキッズ・ジュニアクラスでもB-CORの一員である自覚をもち、発表会ではなく、チアリーダーとしてパフォーマンスすることを大切にしています。同時に、自分やみんなの努力が本番のパフォーマンスでどんなふうに結実したかを、自ら振り返られるような感性を育てています」

▲キッズクラスの皆さん(写真/©︎B-CORSAIRSご提供)

―小学生でそんなことまで!?
絵美さん「たくさん練習した、あそこが綺麗に揃った、この部分はお客様の拍手が大きかった、練習したけど、ここはうまくいかなかったなど、『楽しかった』というだけで終わらない部分を大切にしています」

―私の知っている小学生って、ワーワー走り回っているイメージなのですが…。
絵美さん「もちろん、みんな活発で元気いっぱいですよ(笑)。B-ROSEユースとしての、オンとオフの切り替えですね」

―さすがB-ROSEユースさん!
植村さん「ユースがこのようにプロ意識を育てる場でもあるとすれば、スクールではもう一歩手前の、『自分が楽しく踊ることで、目の前の人も笑顔になる』というチアを好きになるきっかけ作りを大切にしています」

【強く】 自分で自分を輝かせる

▲ 『地域に根付き、子どもたちの成長をビーコルで見守る』ことも、長いミッションとして大切にしていると話す植村さん

―次に、パフォーマンスについて大切にされていることはありますか。
植村さん「自分で自分を輝かせることです!」

―かっこいい…!
植村さん「これは私たちのホーム、横浜国際プールならではということもあるかもしれません」

―場所の影響ですか?
植村さん「はい。メインアリーナの横浜国際プールは、プールなので、照明や暗転効果、花火などの華美な演出ができない会場なんですよね」

―そう言われてみれば、見たことない…。
植村さん「照明効果に頼れないので、『自分で自分を輝かせる』しかないんです(笑)!」

―演出なしであの迫力のパフォーマンス…!今、思い返して、ちょっと鳥肌が立ちました。
植村さん「とはいえ、もちろん良い点もあって。明るさや空間の広さで、子ども連れのお客様にとっては安心できる会場だとお声をいただいています」

―確かに!親子で観戦に来られている方も多いですよね。
植村さん「そうなんです。先ほど、横浜は港町のイメージだとお話ししましたが、実は、ここは山の上にあるんですよね(笑)」

―たしかに、階段を登って来ました(笑)。
植村さん「この地区は、マンションなどの住宅が多く、県外から移住されて来た方も多いんです。そういったことから、『地域に根付き、子どもたちの成長をビーコルで見守る』ということも、長いミッションとして大切にしていることです」

【長く】 小学生から身体の柔軟性を意識

▲『柔軟性の強化』は怪我対策としても重要であり、重点的におこなっていると話す絵美さん

―子どもたちの成長、という点からチアの指導についてお伺いさせてください。インストラクターの先生方から見たユース・スクール生の印象は?
絵美さん「何事にも全力で、活発です!」

―素敵ですね!
絵美さん「活発なメンバーが多いので、捻挫をはじめ、多々、怪我をすることもあります」

―怪我。
絵美さん「お友達と遊んでいるときや、学校で打撲や捻挫など…みんなとても活発なんです(笑)」

―心配ですね…。
絵美さん「インストラクターの立場では、『怪我しないようにね!』という気持ちです」

―指導の中で『怪我』についてはどんな工夫をされていますか。
絵美さん「怪我をしないようにすることは、何より大切です。そのためには、柔軟性と筋力、基礎体力…特に柔軟性はあるに越したことがないので、重点的に指導をしています」

―柔軟性。
絵美さん「小学生では、キッズ(小学3年生以下)からジュニア(小学4年生以上)にクラスが上がる前に柔軟性を獲得できるように、早い段階でトレーニングに組み込んでいます。そして、クラスがあがっていってもその柔軟性が保持できるよう、引き続き、ストレッチに力を入れています」

―中高生はいかがですか。
南帆さん「中高生ともなると身体つきにも変化があらわれます。骨格や筋肉量も徐々に大人に近づいていきますので、段々とトップチームB-ROSEのメニューに寄せたトレーニングを行っていきます。十人十色な中高生たちですので、その子に合わせたトレーニング方法や柔軟をこちらから提案することもあります」

▲ジュニアクラスの皆さん(写真/©︎B-CORSAIRSご提供)

―なるほど。ここでもトップチームへのステップがあるんですね。
南帆さん「『トップチームはこのトレーニング、2分もやってるんだよ!』と伝えると、やる気もアップです!」

―憧れの存在なのですね。
南帆さん「はい。指導をしている中でも、やはりユースメンバーの目指す存在はトップチームなのだなと感じます」

【楽しく】 中高生は部活アスリート×チアリーダーの両立

―子どもたちにとってのユース・スクールの位置付けは『習い事』ということですが、学校との両立はいかがでしょうか。
南帆さん「中高生になると、部活動に所属しているメンバーも多いです」

―部活動。
南帆さん「バスケ部はもちろん、陸上やバレーボールなどの運動部に所属しているメンバーもいたり、ダンスチームを掛け持ちしているメンバーとかもいます」

―えっ!中高の女子バスケ選手であり、チアリーダーでもある、というメンバーも?
絵美さん「そうです。『バスケをプレーするのも、応援するのも好き!』というメンバーもいます」

―女性アスリートとしての一面も…!
南帆さん「部活でスポーツをして筋力がつくと、『チアなのに足が太くなってやだ〜!』という声もありますね(笑)」

―難しいところですね(笑)。
絵美さん「中高生になると部活動への参加が必須である学校もあり、習い事であるユースやスクールへの参加が難しくなってきますので、チームを卒業するメンバーもいます。でもそれは、インストラクターとして嬉しいことでもあるんです」

―嬉しいこと。
絵美さん「ユースやスクールでダンスやスポーツの楽しさを知って、部活動として学校の仲間と日々の活動に重きを置いていく最初のきっかけになれたことが嬉しいんです」

―インストラクター冥利に尽きる、といったところでしょうか。
絵美さん「もちろん、B-ROSEユースの活動を続けたくて、レッスンに参加しやすい部活動を選ぶメンバーや、部活動の後に駆けつけるメンバーもいます。みんないろいろな関わり方で参加しています」

【続ける】トップチーム「B-ROSE」を目指し変化するジュニア期

―子どもたちが大人の女性に成長する『変化』についてお聞かせください。先生方の目線で、どの段階で大きな変化を感じられますか。
絵美さん「やはり小学生から中学生に上がる時、ジュニアからJr.ユースへの移行期でしょうか」

▲ジュニアユースサテライトクラスの皆さん(写真/©︎B-CORSAIRSご提供)

―どんなところが変わるのでしょうか。
絵美さん「小学生のダンスは元気・活発・楽しいというイメージでパフォーマンスを作っておりますが、中学生になると曲調をB-ROSEに合わせて大人っぽくしています。曲調が変わると、やはりそれに合わせて踊り方が変わるんですね。ここが一番の大人への『変化』かもしれません」

―曲調や踊り方。
絵美さん「子どもたちにとっては上のクラスが憧れなので、楽しみな気持ちと同時に、緊張も見えますね。特に、小学6年生は小学生から中学生になること自体が大きな変化で、それに加えて先生も、パフォーマンスの雰囲気も変わり、テクニックの種類も増え、一気にいろいろなことが変わってきます」

―まさに大人へのステップアップ。
南帆さん「一気にトップチーム『B-ROSE』に近づくイメージです」

▲クリスマスには、横浜ビー・コルセアーズと【#わらバスvol.6】鈴木達也選手所属クラブの対戦に、サンタコスチュームのB-ROSEユースが登場

【未来】 ノーブルビューティーな横浜の女性へ

―インストラクターの皆さんのこれからの目標を教えてください。
植村さん「これからも、プロ意識を持ち、女性のロールモデルとなるチアリーダーの育成を続けていきます」

―子どもから大人への成長。
植村さん「今シーズンのB-ROSEには、スクールとユースを経験してトップチームのオーディションに受かったメンバーもいます。あと10年もすると、この流れが当たり前になるかもしれません。楽しみな未来です」

―最後に一言、お願いします。
植村さん「B-ROSEユースは、トップチームのプロチアリーダーとしての意識を一番身近に感じながら、オープニングやハーフタイムという試合における大事なシーンを任されます。ノーブルビューティーな横浜の女性を目指す高い意識を持つこと、アリーナの空気感を担う一員である自覚を持ち、パフォーマンスをお届けしていきます」

「#わらバス」ヒント:自分を輝かせてチームに貢献する

「誰もが【強く・長く・楽しく】バスケを続けられる未来の実現」―B-ROSE総合プロデューサー・ユース インストラクターの皆さんのお話から、『自分を輝かせてチームに貢献すること』がヒントになりそうです。「みんな一緒に、笑ってバスケ!」をキャッチフレーズに、実現を目指して前進していきましょう!(企画・取材・文/山岡彩加、写真/Misaki Nakaji)

▲【インタビュアー・山岡彩加の#わらバス取材レポート】
取材当日は #わらバスブースターのフォトグラファーも帯同。これからも#わらバスブースターと共に、全国のバスケキッズへ向けて、コンディショニングの重要性を発信していきます!

▶Bリーグ所属のプロバスケットボールチーム『横浜ビー・コルセアーズ』についてはこちら
https://b-corsairs.com/

▶横浜ビー・コルセアーズ『B-ROSEユース』についてはこちら
https://ybccheer.com/youth/

▶横浜ビー・コルセアーズ『チアリーディングスクール』についてはこちら
https://ybccheer.com/

▶「#わらバス−みんな一緒に、笑ってバスケ!プロジェクト−」についてはこちら
https://grows-rtv.jp/project/4594

▶山岡彩加さんについてはこちら【GrowS掲載】
https://grows-rtv.jp/contents/article/2876